かぽなーた〜高校数学オンライン問題集〜

高校数学の問題をたくさん集めた問題集です.授業と解説はYouTubeにアップロードしていきます.日々の演習に使ってください.センター試験で満点を目指す人を想定して作っていますが,文理問わず私大の入試レベルや国公立レベルの問題もどんどん出題し,解説していきます.意欲の高い高校2年生・高校1年生にもお勧めです.

【数学1】集合と論証--命題

集合と論証--命題

 

今回のテーマ

今回取り扱うのは,命題と条件です.主なtopicは,

  1. 命題と条件の違い
  2. 条件と集合のお話
  3. 必要条件と十分条件

です.
 

授業動画はこちらをご覧ください

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演習問題

{\fbox{1}\ 次の命題の真偽を答えよ。また偽であるならば反例を挙げよ。ただし\ x,y\ は実数とする。\\
( 1 )\ 2x=4 \Longrightarrow x=2\\
( 2 )\ x^2 = 9 \Longrightarrow x = 3\\
( 3 )\ 自然数\ n\ は素数 \Longrightarrow n\ は奇数\\
( 4 )\ \dfrac{x}{y} \gt 1\Longrightarrow x\gt y\\
}

{\fbox{2}\ 次の( 1 )~( 4 )について,[ ]に次の①~④のいずれかを入れよ。ただしx,y,zはいずれも実数である。\\
①必要条件であるが,十分条件ではない\\
②十分条件であるが,必要条件ではない\\
③必要十分条件である\\
④必要条件でも十分条件でもない\\
( 1 )\ -2\lt x\lt 1\ は\ x \lt 2\ であるための[ ]。\\
( 2 )\ xz\gt yz\ は\ x\gt y\ であるための[ ]。\\
( 3 )\ \angle{A}が直角であることは\triangle{ABC}が直角三角形であるための[ ]。\\
( 4 )\ 自然数\ n\ が6の倍数であることは,\ n\ が12の倍数であることの[ ]。\\
}


演習解答

{\fbox{1}\ 次の命題の真偽を答えよ。また偽であるならば反例を挙げよ。\\
( 1 )\ 2x=4 \Longrightarrow x=2\\
  この命題は真である。\\
( 2 )\ x^2 = 9 \Longrightarrow x = 3\\
  この命題は偽である。 反例:x=-3\\
( 3 )\ 自然数\ n\ は素数 \Longrightarrow n\ は奇数\\
  この命題は偽である。 反例:n=2\\
( 4 )\ \dfrac{x}{y} \gt 1\Longrightarrow x\gt y\\
  この命題は偽である。 反例:x=-2,\ y=-1\\
}

{\fbox{2}\ 次の( 1 )~( 4 )について,[ ]に次の①~④のいずれかを入れよ。ただしx,y,zはいずれも実数である。\\
①必要条件であるが,十分条件ではない\\
②十分条件であるが,必要条件ではない\\
③必要十分条件である\\
④必要条件でも十分条件でもない\\
\\
( 1 )\ -2\lt x\lt 1\ は\ x \lt 2\ であるための[ ]。\\
  -2\lt x\lt 1\cdots①\ と\ x \lt 2\cdots②\ を数直線に表すと以下の通り。
}


{数直線より,①と②の関係は以下のよう。}


{以上より①は②であるための\ \underline{\textbf{②十分条件であるが必要条件でない}}。\\
\\
( 2 )\ xz\gt yz\ は\ x\gt y\ であるための[ ]。\\
  xz\gt yz\ を両辺\ z=-1\ で割ると\ x\lt y\ となるので,xz\gt yz \not\Rightarrow x\gt yである。\\
  同様に,x\gt y\ に両辺\ z=-1\ をかけるとxz\lt yz\ となるので,x\gt y\not\Rightarrow xz\gt yz\\
  以上よりxz\gt yz\ は\ x\gt y\ であるための\ \underline{\textbf{④必要条件でも十分条件でもない}}。\\
\\
( 3 )\ \angle{A}が直角である\cdots①ことは\triangle{ABC}が直角三角形である\cdots②ための[ ]。\\
  \angle{A}が直角であるとき,\triangle{ABC}は直角三角形である。\\
  一方,\angle{B}が直角である\triangle{ABC}は直角三角形であるが,この時\angle{A}は直角でない。従って①②の関係は以下の通り。}



{以上より①は②であるための\ \underline{\textbf{②十分条件であるが必要条件でない}}。\\
\\
( 4 )\ 自然数\ n\ が6の倍数である\cdots①ことは,\ n\ が12の倍数である\cdots②ことの[ ]。\\
  n=18\ のとき,n\ は6の倍数であるが12の倍数ではない。\\
  一方,n\ が12の倍数の時,n=12k\ (k\in \mathbb{Z})と書ける。このとき,\\
      n\ =\ 12k\ =6(2k)\\
  となり,2k\in \mathbb{Z}であるから\ n\ は6の倍数。従って①②の関係は以下の通り。}


{以上より①は②であるための\ \underline{\textbf{①必要条件であるが十分条件でない}}。\\}